予防・メンテナンス PREVENTIVE
定期的なお口の検診で
いつまでも健康に
REGULAR EXAMINATION
歯科医院は歯を治療しに行く場所といったイメージがあるかもしれませんが、痛みなどの症状がなくても、予防のために定期的に検診を受診いただくことをおすすめしています。歯の寿命は削るほどに縮まってしまうため、虫歯をつくらない・進行させないことが大切です。また、お口の健康は全身の健康と密接に関係していて、歯周病が心疾患・脳梗塞・糖尿病などの病気を引き起こすおそれもあります。
定期検診では、クリーニングや歯磨き指導などを行ない、虫歯や歯周病が発生しにくい状態を維持していきます。さらに、定期検診でお口のトラブルを発見できれば、早期治療によって症状が進行するのを防ぐこともできるのです。
8020運動を知っていますか? 8020
8020(はちまるにいまる)運動とは、「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という歯の健康のための運動です。人は20本以上歯があれば、何でもよく噛めて食生活にほぼ満足できると考えられています。ご自分の歯で噛んで食事を楽しむことが、心身の健康にも大きく関係します。生活の質を高めるためにも、健康な歯を多く残していくことが大切です。
そのためには、歯磨きなど日々のセルフケアをはじめ、食生活・生活習慣の改善や、定期的なお口の検診を行なうことが重要です。歯を失う主な原因となる虫歯や歯周病の予防に、ぜひ早いうちから取り組んでいただきたいと思います。
当院の主な治療メニュー MENU
当院では下記のような検診と予防治療を行なっています。定期的に受けていただくことで、虫歯や歯周病などにかかりにくくなり、お口のトラブルが発生した場合も歯を削る量を抑えることができます。
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定期検診
3〜6ヵ月に1回を目安として、治療後の経過を見るほか、虫歯や歯周病になっていないかを丁寧に検査します。もし虫歯ができていても、初期段階で発見して治療を開始できるため、歯を削らずに済むこともあります。また、早期発見・治療は、症状が進行してから治療に取りかかるよりも通院回数が少なく済み、治療費を抑えることにもつながります。
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歯磨き指導
虫歯の原因となるのは、磨き残しによってできた歯垢です。歯の状態によって歯垢が溜まりやすい部分はさまざまなため、当院では患者さまのお口に合った歯磨き指導を行ないます。ご自分では十分に磨いているつもりでも、意外と磨き残しがあるものです。歯ブラシの持ち方や当て方などを丁寧にお伝えしていきます。また、お子さまの歯磨き指導では、保護者の方が行なう仕上げ磨きのコツや注意点についてもお話しします。
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スケーリング・ルートプレーニング
スケーリングとは、歯に付着している歯石・歯垢・着色汚れを除去する処置のことです。スケーラーという器具を使うことで、歯磨きでは除去が難しい歯石などを取り除いていきます。また、歯根にできてしまった汚染セメント質を取り除き、歯根表面を滑らかにする処置をルートプレーニングといいます。スケーリング・ルートプレーニングによって歯周病の改善や予防を目指します。
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PMTC
専用の器具と研磨剤を使うPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)によって、歯磨きでは落としきれない歯垢や着色汚れを取り除いていきます。汚れを取り除いて歯の表面がツルツルになることで歯垢が付着しにくい状態になるのもPMTCの特徴で、虫歯や歯周病の予防にも効果的です。また、着色汚れを落とすことによって、歯が白く見えるようにもなります。
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フッ素塗布 <お子さまにおすすめ>
お子さまの乳歯や生え始めの永久歯は、虫歯になりやすいため注意が必要です。この時期におすすめの治療メニューの一つが、フッ素塗布です。歯の再石灰化を促し、虫歯の原因菌が酸を出すのを抑える働きがある「フッ素の薬剤」を歯に繰り返し塗ることで、虫歯の予防効果が期待できます。フッ素塗布の効果は約3ヵ月続きます。効果を持続させるために、定期的にご来院いただければと思います。
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シーラント <お子さまにおすすめ>
シーラントは、フッ素塗布とともにお子さま向けの虫歯予防メニューとしておすすめしています。乳歯の奥歯には、複雑な形状をした溝があり、ここに歯垢が溜まって虫歯ができることが多々あります。そこで、歯ブラシが届きにくい奥歯の溝にフッ素を含んだ歯科用プラスチックを詰め、歯磨きがしやすい状態をつくるのがシーラントです。シーラントを行なうことで日々の歯磨きによって歯垢を適切に取り除けるようになり、虫歯の予防につながります。
スケーリング・ルートプレーニングにともなう一般的なリスク・副作用
- 基本的には保険での診療となりますが、治療内容によっては自費(保険適用外)となることもあり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- ルートプレーニングは、歯肉の中に器具を入れるため通常の歯石除去よりも痛みを感じることがあります。
- 歯のすき間に付着していた歯石が除去されることで、歯のすき間が目立つことがあります。
- 処置後、歯肉から出血することがありますが、時間の経過とともに治癒します。
- 処置後1~2日、何もしなくても痛みが出ることがあります。また噛んだときや歯を磨くときも痛みが出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
- 処置後、しばらく知覚過敏の症状が出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
- 処置後、歯肉の退縮を引き起こすことがあります。
クリーニング・PMTCにともなう一般的なリスク・副作用
- 内容によっては保険適用となることもありますが、歯の病気の治療ではないため自費(保険適用外)となることもあり、その場合は保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- 歯科医院でのクリーニング・PMTCだけでは、虫歯・歯周病の予防はできません。日ごろから歯磨きなどのケアに努めることで、予防効果を上げられます。
- 歯肉の腫れや歯肉炎のある方は、器具が当たることにより痛みや出血をともなうことがあります。
- 歯と歯肉の境目への歯石の付着が多い方は、歯石除去後、歯肉から出血が見られることがあります。多くの場合、クリーニング後しばらくすると出血は治まり、1~2日で歯肉は治癒します。
- 着色汚れや歯垢・歯石はクリーニング・PMTCで除去できますが、効果は永続的ではありません。いずれも再付着するものなので、定期的に受診して処置を受けることが大切です。
フッ素塗布にともなう一般的なリスク・副作用
- 保険診療となるのは、基本的には13歳未満で、虫歯予防の指導を継続的に受けているにもかかわらず虫歯の多い子どもに限られます。健康な歯に対する虫歯予防目的で行なう場合は自費診療(保険適用外)となります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- 補助的な予防ケアとなり、虫歯にならないわけではありません。あくまでもきちんと歯磨きをしていることが大切です。
- 効果が永続的ではないので、年に数回フッ素を塗布してもらう必要があります。
- フッ素塗布を必要以上に繰り返したり、歯科医院でのフッ素塗布のほかにフッ素配合の歯磨き剤などを多用すると、フッ素の過剰摂取になる可能性があります。
シーラントにともなう一般的なリスク・副作用
- 保険診療となるのは、基本的には6~12歳の子どもで、初期の虫歯があると診断された乳歯か、生えたての永久歯に限ります。13歳以上の子どもや、健康な歯に対する虫歯予防目的で行なう場合は自費診療(保険適用外)となります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- 補助的な予防ケアとなり、虫歯にならないわけではありません。あくまでもきちんと歯磨きをしていることが大切です。
- 処置後少しずつはがれてくるので、効果は永続的ではありません。はがれてきたら、再度処置してもらう必要があります。
- シーラントの下で虫歯が進行していることがあり、虫歯の発見が遅れる可能性があるため、継続的な定期検診の受診が必要です。